サーフェスキーボード分解 - ぎんてんのロボ工房    

2018年9月9日日曜日

サーフェスキーボード分解

サーフェス キーボード(タイプカバー)分解
Surface Pro 4 keyboard disassembly

ぎんてんには発達障害の息子がいます。
常に子供の状況を確認する必要があり、ずっと常に部屋で作業という訳には行きません。

どこでも自由に作業出来るようにメインマシン以外にSurface Pro(2018)を購入しました。
(高い~;;)
サーフェス本体の紹介は又今度しますね。


見た目は問題無し

ケチってキーボード(タイプカバー)は中古で!と思ったんですが、失敗してとんでもない動作不良品を買ってしまいました・・・・><;
まぁちゃんと確認しなかった自分が悪いんですけど・・・。
ネット調べてもサーフェスキーボードは基本修理不可とか、
マイクロソフト送りでもアメリカ行きとか手立てが無さそうで。
アメリカ送ったところで何時帰ってくるのやら。
考えた結果、ちゃんとした新品キーボード買い直しました。(ペンはまだ(笑))

どう動作異常だったかというと、
’a’を押すとbがオートリピート。
’s’を押すと反応しない。他にもいくつか反応しないキーがある。
'b'を押すとnが表示。'n'を押すとnが表示。
全く話にならない(ダメだこりゃ)。
オートリピート


押すと正常に反応するキーと反応しないキーがあるということは、OSのアップデートとか再起動とかそういう問題では無く、ハードウェアの問題だと思います。
(一応一通りやりましたけど)
キーに何か挟まってないかと隙間にエアー吹いたり、寝転んで逆さにして押したり、動作確認しましたが変化無し。
パターンがはがれてるとか、回路の接触不良ですかね?

どうにもならなさそうですが、せめて内部がどんな感じか分解して確認してみることにしました。
ただ捨てても意味が無い、一応自分も技術者の端くれ(のはず)。
高額品で玉数が出てないせいか、あんまり分解情報無いですよね、興味ある方参考にして下さい。

キーボード(タイプカバー)はアルカンターラ素材のグレータイプ、生地はキーボードにべったり張られており、外すネジも見当たらなければ、まともに剥がせそうもありません。
元に戻せなくなりますが、どの道廃棄行きなので徹底的にやってみることにしました。

※※注意 廃棄なのでもうめちゃくちゃにしてますが、マネしないで下さい。
使用品が動かなくなっても、こちらでは一切責任取れません!(そんな人いないと思いますけど、念の為)


Do noto manage.
Even if the used item does not move, I can not take responsibility at all here.


まずは剥がす為に切り込みをカッターで入れ、引っ張って見ましたがうんともすんとも。
キーボード切り込み
ビッチリ張られているようなので、薬剤を使うことにしました。
剥がしに利用したのは以下の3製品。かんたんシールはがし(ワイエステック)
強力粘着剤はがし(ロックタイト)、強力粘着剤はがし(ロックタイト)
何を使ったらいいのかわからんので、取り合えず買ってはうまくいかないの繰り返しで色々買ってしまいましたトホホ・・・。

まずシールはがし、これには全く効果ありませんでした。シールじゃないもんなダメか。
次は強力接着剤落とし、垂らして3,4分待って専用ヘラでこする。ゴリゴリ・・・ゴリゴリ、おぉ!なんか剥がれる、行けそう!と思ったけど何か違う。
溶かす感じ?塗ったとこだけ生地を溶かして、汚いもずくみたいなダマが出来ます。粘着跡も微妙に残るし。確かに説明にも塗装、ゴム、プラスチック等も溶かすとあるのでこんなもんか。
しかしこの調子では、何日かかるか分からんなぁと一旦諦めました。
しばらくあの全面をゴリゴリするのはやる気が失せてましたが、接着剤で貼りでは無く粘着剤かもと思い立ち、試してみましたらイイ感じに剥がれました!!
この辺のイメージは言葉では伝えにくいので、後で動画を残しときます(笑)。
ちなみにこの粘着剤、マスクしないとラッカー系の匂いが結構きついです。
ベランダでやったんで洗濯物に匂いがつかないよう端っこで、嫁に怒られないようにやりました(笑)
で、落とした状態がこれ。

生地剥がし、表
びっくりしたのが、写真の上側にあるバー二つ。生地を剥がすとペラペラで、真ん中のフラットケーブルだけで繋がっており、剥がしたらなんとも頼りない。
一番上のバーはタブレット部を繋ぐ、接続コネクタとマグネットだけの部分のようです。
二番目のバーはケーブルをスルスルと動き、こちらのマグネットが有り、タブレットを立てる時の固定部でしか無いようです。

生地剥がし、裏
裏にすると気泡が見えます。剥がす時に力を入れたから接着の弱い部分が剥がれて出来たのか、元々だとしたら、もしかしたらこれが動作不調の原因なのかなぁ?とか考えながら。
写真下側には謎の四角いマスがたくさん見えます。左にはロットナンバーのシールも。

裏拡大 ロットナンバーシール
ロットナンバーのシールにはMADE IN CHINAと有りました。
写真右側の黒い部分は何なんでしょう?チップ?

タッチパッドめくり
表に戻してタッチパッドを静かにめくると裏には基板が見えます。これ以上めくるとバキッと行きそうだったので一旦閉じました。

キー分解
問題の箇所のキーボードをマイナスドライバーで外しました。見た目は全く問題なし、異物もなけりゃ押した感じも良好。
キーのパネルを外すと、ボタンはゴムの押圧でゴムの周りに薄いプラスチック二枚の組み合わせで板バネのような物がありました。
これはキーボードの構造として、パンタグラフ方式というらしく、押圧した際に中のゴムをまっすぐ押す為のキー位置反応に関係する部品で、ベース、板バネ、キーパネルと、細かい部品ながら組み合わせてカチッとハマるようになっており、すごい精密だなぁと感心しました。
はめ込んだ状態でマイナスドライバーを差し込み、稼働域を確認。(下写真)
パンタグラフ
キーの裏にはめ込んだ様子が以下。
キー裏
キーボードを開こうとしましたが、キーボード周りに沿って、接着剤で張り付けられているようで、ネジ穴もなければハメ込みでも無く、開く方法がありません。
その為、再度裏にひっくり返して横から淵に沿って、マイナスドライバーを差し込み開いていきました。
で、以下が見開きで開いた状態です。
見開き
写真左側がキーボタン側をひっくり返した方で、右がベース側の表面です。
キー側のタッチパッド部にコントロール基板があるのみで、ベース側に接続ケーブルが。
ベース側の黒いシートを剥がし、さらに下の白いシートを切り開くと、
ようやくフラットケーブルが出て来ました。
黒いシートも白いシートも導通はありませんでしたので、絶縁用なのかな?
フラットケーブル取り出し
最初にカバーをめくった時に気になった、チップと思った黒い四角ですが、粘着性が有り、ただの貼り付け用のようで特に意味は無さそうでした・・・。

タッチパッド裏に回路が有りコネクタが二つ。一方はキーボードと接続。
もう一方はタブレット部本体と接続に繋がるようになってました。
写真一番左がキーボードを裏から見た感じ。一番右が上から見た感じですが、それだと良く分からないと思うので、真ん中があえて上に持って来た感じです。


押したキーをタッチパッド裏の回路で処理して本体に送り返すんですね、なるほど。
基板全体

回路には二つチップがあり、内一つにはQRコードらしき物が貼ってましたので剥がす前に、一応iphoneで読み取って見ましたが反応はありませんでした。
QRらしきを剥がして、かすれてますがSC66 7334DC12(Freescale)だと思います。
何の機能用でしょう?
SC66 7334DC12

もう一つはSynaptics S9101B。タッチコントローラらしいです。
Synaptics S9101B
ネットで調べたらサーフェスブックを分解されたサイト様を見つけましたけど、キーボードは、どうやらサーフェスブックと同じチップが使用されているようですね。
仕事で(PCトラブル対応みたいな事をしています。PCそんな詳しくないですけど)、納めたHPのノートPCでタッチパッド効かなくなったとか言われて何度か訪問対応したことがあり、今まで深く考えたこと無かったですけど、Synapticsてタッチパッドの老舗なんですかね。
データシートも見つからないのでチップの細かい予想は出来ないですけど、サーフェスブックと同じということを考えても、Synapticsメーカーにてタッチパッドのユニットとしてあるのかな。


キーボードからキーとパンタグラフを全て外した状態です。
パンタグラフ外し
キー、一つ一つのフレームが回路になってそれぞれパターンが違うように見えます!
これがキーを押したときゴムの接触で、どこが押されたか判るようになっているのかな?
キーのパターン
押圧の確認の為、ラバーゴムを外すとキーのパターンが明確になりました。
ラバーゴム外し
テスターでチェックしたら裏は金属で導通しましたが、表からは通電しなくて、よく見たらゴムを外してもまだ下に薄いプラスチックフィルムのようなものがあり、そこにパターンが形成されていました。
パターンフィルム
切り離してチェックしてもまだ導通しなくて、二枚重ねになっていて開いたらようやく通電しました。
フィルム分解
この二枚が形成され押圧されてパターンが重なり、キーが押されたことを検知するんですね。すごいなぁ。
外した元のキーを並べて配置。
外したキー
結局、明確な故障の原因は分かりませんでした。
キーのパターンもケーブルも見た目は問題無さそうだし、基板だとどうにもならない。
それでも推測するとしたら(素人考えになりますが)、最初に開いた時に裏からみて全体に浮きが見られたから、キーのパターンの接触不良とか?
本体近くのケーブルの構造が思ったより強度が低そうなので、開いて立てる~閉じるを繰り返したり、あるいは裏向けて二つ折りにすることによって、コネクタ~ケーブル間の接触不良とかになってしまっているとかじゃないでしょうか?
分解した状況で本体とつないでみる勇気はなかったので推測しか出来ませんが、構造が分かったので今回自分の購入した新品キーボードは構造に注意して少しでも長く使えるように大切にしていきますね!(笑)。

※一連の流れを動画で作成しました。(字幕ONでお願いします)





最後に、今回使用した薬剤を参考までに

まず粘着剤はがしですが、カーペットのようにサーフェスキーボードの生地を剥がすのに効果てき面でした。 ただ思ったより容量が少ないようで、裏面の生地を剥がすだけで一本無くなってしまい。 二本目をすぐ買いに行きました。大量の面を剥がす利用がある人は大容量タイプを買った方がいいかもしれません。 下のAmazonリンクは使用した物より容量多めのタイプです。 後、胸が悪くなりそうなくらい匂いがきついです。マスクした方がいいかも。選択物(笑)やペット、小さいお子さんがいる方は気を付けて使用した方がいいかも知れません。

接着剤剥がしは説明書にある通り剥がしたいものを溶かします。
それどころか下地まで溶かしてしまうかもしれないので注意が必要です。
気が付いたら接着剤剥がしのラベルまで溶けてて、自分を自分で破壊これはヤバい!
と思ったくらい。
結構手にも付いたけど意外に手は何ともなかったけど。
今回、生地を剥がす目的では利用に合わないようでしたが、残った粘着や生地をキレイに落とすには役立ちました、押すとトロっとジェル状の物が出てきて落としたい部分に塗り、3~4分まって、小さいヘラでそぎ落とすので、広範囲を一度に落とすには向いていないような気がします。匂いはそれほど感じません。

シール剥がしは今回の利用に合いませんでしたが、唯一の出番、ICチップのシール剥がしにはスプレーして数分待ったらペロっとキレイに剥がれました。

今回、適正なものをちゃんと選択しないと全く効果は無いって事をよーく自覚しました。




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