ぎんてんのロボ工房: 1月 2021    

2021年1月28日木曜日

Anycubic MEGA S ノズル故障(テクダイヤ ノズルチャレンジ 0.1mm挑戦)前編

 Anycubic MEGA S ノズル故障

(テクダイヤ ノズルチャレンジ 0.1mm)前編

昨年2020/12月にテクダイヤ株式会社 小山社長様より、ノズルチャレンジという企画がツイッター上に上がりました。

【チャレンジャー募集】ノズルチャレンジ!0.1mmのノズルで3Dプリンティング試してみませんか? | テクダイヤ技術向上ブログ (tecdlab.com)

これは3Dプリンタのノズル(0.1ミリサイズ)を無償で頂くことが出来、評価するという企画のようで誰でも応募可ということで、誰でも可能ならと、自分の使っているAnycubic Mega S でも使えるならやってみたい!と分不相応にもメールを送り、頂いてしまいました(笑)。

もちろん評価テストなので故障に繋がる可能性もあり、自己責任が必要です。

ノズルには種類があるらしく、MK8 MK10 E3DV6の中から、自分の持っている3Dプリンタに合うノズルを希望とのことでした。

Anycubic Mega SはE3DV6とのことで(知り合いに聞いた)これを希望しました。

3Dプリンタのパラメータを熟知したプロの方々のような、どこまで使用に耐えうるかといったような評価試験は出来ないのですが、頂いた以上恩義に報いる為、自分に出来る範囲でやらねば!(そんな御大層な)・・・予想以上に人面クモ製作に時間がかかり早一か月たってしまいましたが・・・すぐに送って頂いたというのに、社長様申し訳ございません(汗

ノズルの交換って難しそう、失敗したら暫く製作滞るし・・と、及び越しになってきてましたが最近になって精密な製作が必要なこともあり、ノズルの交換に踏み切りました。(2021/1/25)

失敗はしたくないので事前に交換方法は調べていて

ANYCUBICのノズル交換動画

1温度を上げてフィラメントを抜く

2エクストルーダーのカバーを外す(上と後ろのネジ、計4か所回してコネクタ抜いただけ)

カバー外し


 コネクタ結構しっかりささってるんで、線を抜きちぎったりしないように気をつかいましたが

真ん中2つのファンと繋がるコネクタだけでよいです。

※※注意 ちなみに後で述べますが左の白い線のコネクタは接着されてます。


3ノズル自体を回してノズル交換と、あっさりしたものでした。

0.1ノズル交換後


必要なものと言えば、ノズルを外すラチェットくらいでしょうが、軽くラジペンで回ったし、これで精密なもの作れるね(喜)、とワクワクしましたが即失敗します(汗。

0.1ノズルセット

ちなみにノズルを外す時どっち回しだっけ?ってなりますが、本体向かって左に回すと緩み、エクストルーダー側に回すと締まります。
本体に付けた状態でないとホットエンドごと回ってしまい、とてもじゃないけどバイスで固定しとかないとノズルだけ外すのは無理そうです。
フィラメントが固まってるので一度過熱してから外すのが良さそうです。

ノズルを回す方向は左、締める方向は右


※標準ノズルはすんなりラジペンで外れたんですが、この後フィラメント詰まりを起こしたノズルはにっちもさっちも外れなくなり後にレンチを買ってます。ホームセンターで一番安くて回し安そうだったので下記を買いましたが、ラチェットでもなんでもいいのであった方が良いです。(6、8,10はいらないんだけど安かったのでw)
サイズは標準ノズルも、0.1ノズルも7mmです。

ノズルサイズはレンチで7㎜


ノズル交換後、印刷失敗 Curaの設定変更

ノズルを交換したので、ヒートベッドのレベルを再調整し、フィラメントイン。

フィラメントイン0.1


そしてまずは交換前から疑問に思ってましたが、印刷時間って結構正確に出ています。ノズルを交換するってことはノズルを絞るってことなので当然印刷時間は変わるはず、ってことは3Dプリンタ、もしくはCuraに対して0.1mmノズルに変わったよってことを認識させないと、ノズルを交換してもまともに印刷出来ないのでは??

3Dプリンタ側にはそのような項目は無さそうなのでCuraの方を調べると、やっぱありました。

ダイヤログボックスから

ノズルサイズ設定(ダイヤログボックスから)

メニューから

ノズルサイズ設定(ファイルメニューから)

まずは0.1ノズルを認識させて、

ここからはまだ正解が分からない(っていうか失敗したし)ので、参考にはなりませんが。

ホームポジションにセットして、フィラメントインではにょろにょろと出ていたので後は印刷!と期待してましたが、Curaの設定とか調べてる間なんだか焦げ臭い。ハンダの焼け切ったような匂い?新品のノズルだから銅が焼ける匂いがするのかも?なんて思ってたのが間違いでした。

いざ実際に印刷を開始するとフィラメントが出てる感じがしない。細いから見えにくいのかな?なんて最初は思いましたが、どー考えてもこれやっぱり出てないな!?と。

フィラメント出ていない


噂には聞いていたけど、もしかして目詰まり?細密だからだろうか!?

温度を上げてみようか?過熱が足らないのかもしれないと、印刷の温度を様子見で上げてみました。

印刷温度

しかしやっぱり出ない。まさか新品ノズルでいきなりこうなるとは・・・、熟練知識なしで挑むのはなかなか難しいものなのか。

一旦停止してフィラメントを抜くときちんとノズルに差し込みされているようでした。

フィラメント抜き
じゃあなんで出ないんでしょう?と

ノズルを外して状況を確認しようとしましたが、げ!こんどは外せない!!ノーマルは簡単に外せたのに?目詰まりを起こしたからだろうか!?

一度ツイッターで情報収集したところ、ファンを止めた方がいいかも知れない(すぐ冷えて固まるから)とお聞きし、なるほど過熱しっぱなしなら出てくるかもと期待し、CUREで設定をさがしたところオンオフがあったのでそれらしい項目をオフにしましたが、やっぱり出て来ません。

ファンクーリング
これは・・あきらめて修理するしかないな。やれやれ(汗

ここで一旦冷静になって原因を考えてみます。

1 ソフトの出力設定があっていない。

CUREの設定と言えばノズル設定と、温度設定くらいですが、温度をもっと上げないといけない?下げないといけない?他にも調整した方が良い項目がある?

2 物理的な要因。

〇ノズルの取り付けが甘い?締め付けすぎた?外した時は軽く回ったので、同じくらいの締め付けを意識したが感覚的なものなので。

〇ツイッタでお聞きしたところによると、他にもフィラメントの送り圧や、フィラメントそのものがあっていない場合もありうるとのこと。

〇そもそもこのマシンにはもしかして0.1出力合わないんじゃ・・(それをいっちゃ全てが終わってしまう)

いろいろ考えてしまいますが、まずはノズルを外して状況確認、しかし何度ノズルを回そうとしても外れません。仕方ないのでホットエンドごと外すことにしました。

ホットエンド取り外し

事前にネットで調べたら結構難しそうと感じていたけど、やってみたら意外とあっさり取り外し出来ました。
特にエクストルーダーからのチューブ外しは固いと思っていたけど、バラバラバラと外れて慌てたくらい(外す前に動画撮っといてよかった・・・)



分解前に写真撮っといた方が良いですよ。
昔複合機のサービスマンをしていたことがあって、分解修理時に窮地に陥ったことはなんども(笑)
もし撮影前にばらけっちゃった人の為に
ホットエンド側

気を付けないといけないのが、右写真のコネクタ。接着されてます
私プリンタを床置きなので、寝転んでライト照らしながら作業しましたが、コネクタ接着に気づきませんでした。どうしても抜けなかったので基板ごとはずしましたけど、あやうく基板からコネクタ剥がしてしまうところでしたよ。

エクストルーダー側

他の方のサイトでチューブが中々外れないと見たので、こじらないといけないのかなと思ったら簡単に外れてバラバラバラと落ちたので焦りましたね・・
写真一番右が外したパーツですが、左写真をみればどうはまっていたか分かります。

エクストルーダー側のチューブは下記写真の黒部分を押すと簡単に抜けます。

チューブ外し


下記写真はホットエンド側。

ノズル詰まりのようす


なんだかんだでやっとホットエンドを外し、ノズルを見ると結構ひどい状態になっていました(汗
しかも外した状態からでもやっぱりノズルが回らない、中でフィラメントが固まっているのかも、果たして、これ復旧できるのだろうか・・・


次回に続く


2021年1月2日土曜日

人面蜘蛛(鬼滅の刃)制作編

 人面蜘蛛(鬼滅の刃)制作編

人面蜘蛛(途中)

スライムラジコンで使ったラジコンキット(京商 iRecever。但し現在は販売終了)ですが、スライムに拘らず、このキットだけでもアイデア一つで何でもつくれそうです。

(※iReceverは現在販売終了ですが、皆が声をあげれば再販出来るのではないでしょうか?)

で、いろいろありますが、今年(2020)前半に見たアニメで毀滅の刃から人面蜘蛛を作ろうとおもいました。

鬼滅の刃自体は知っていたけど、知り合いに勧められるまで全く見たことなかったんですねー(笑)。

鬼滅の刃って、感動のお話だと思うので、

よりによって人面蜘蛛かよ!?そこポイントじゃねぇし!?

なーんて突っ込まれそうな気がしますが、なんかもう人面蜘蛛見たときインパクトありすぎて、これ実際に作ったらさらにインパクトねぇか?って思ったら最後、もう作らずにはいられません。もちろん本物の蜘蛛はキライですが。

イベント展示やら、映画公開やら、ハロウィンやらの前に作りたかったのですが、構想が間に合わず年内には作って終わらせておこうかと決めました(映画公開も終わるだろうし、おそ)。

で制作ですが、ラジコンキットの使用なので、特に特筆すべきところはありませんが、構想と作成で考えたポイントなどだけ。

動作の検討

〇 駆動は前回スライムラジコンと同様にギアボックスによる前進後退とサーボによる方向変換で行きます。

で、はたとここで考えてしまいます。歩行ってどうすればいいんだっけ?ラジコンキットなので前進転回できる二つのモータボックスは使えません。

一つのモータ操作で蜘蛛の足のような立体的な動き、しかもなるべくシンプルに、いったいどうすりゃいいんだ?と、かなり長期間、頭の中で考えましたがボート漕ぎを思いつきました。

ボート漕ぎって確かオールを半固定して、腕の回転で前に進んでるような気がする。

ボートのオール漕ぎ容量

この要領ならモーター一つの回転で駆動出来そうな気がする。

回転のトップで足を上げて、フロントで足を前へ、ダウンで着地、バックで足を蹴る。

ギア回転による足駆動イメージ

駆動の構想はこれで。回頭の足を除いて6本で駆動。さらにギアごとに留め位置の位相をずらせば歩行のイメージで前進するのではないか?

但し、あくまでも思い付きなので果たして実現可能かどうか分からない。平面リンクの計算すらしたことないのに、果たしてこれでちゃんと動くものなのだろうか・・・リンクの長さは?リンクの角度は?。半信半疑からのスタートです(汗)

〇 回頭はスライムの時と同じく、サーボホーン的な左右移動でよいかと。但し、これは20210102現在もどうしたもんかと考えがまとまっていません(笑)。

スライムラジコンの反省点

スライムラジコンの時の反省点として、PLAは駆動の場合とにかく割れる、削れる。耐久性が全然持ちませんでした。

自分の印刷設定が悪いのかも知れませんが

印刷設定

1 箇所にもよりますが、厚み2ミリだと耐久性に不安がある。

2 モーターのシャフトのクランクを自作したが削れてしまい。つるつるになってしまった。
前回はタミヤ6速ギヤボックスHE使用
回転トルク40.7mN/m(415gcm) 回転数338rpm 採用

(参考)タミヤ6速ギヤボックスHE ギヤ比


その為、今回は付属のクランクをそのまま使用。それに対して自作ギアを取り付け。

3 ぬいぐるみを使用した為、外形サイズが決まっていた。
スペースに余裕は無く、組み立ての順番も決まってしまい、組み立ても大変。
故障に対して分解するにも時間がかかる。改良するスペースが無く、耐久性の低い厚み設計になるという悪循環。ガチのサイズにすると結構しんどいです。
今回はそこまで外形サイズを気にせず済んだということもあり、とにかく余裕あるスペースを心掛けました。

製作の流れ

今回使用ギアボックスは楽しい工作シリーズNo.167 シングルギヤボックス(4速タイプ)です。

(参考)シングルギヤボックス サイズ


スライムラジコンが、あほ程速すぎた為(あんなに速くなくてよかったんだけどw)今回は歩行ということもあり、回転数は低くて構わないのがトルクを上げた方がよいのではないかと。

回転トルク809gf/cm 回転数115rpm 採用

(参考)シングルギヤボックス ギヤ比

1 大きさの選定

頭部は元々別の工作で使おうと思っていた。ダイソーのおそらくお洒落用のマネキンがあったのでこれを使用することにしました。
ダイソーの女性のアクセサリーを目的としたものが、まさかこんなおぞましい物に使われるとは想像もしなかったことでしょう・・・(笑)
人面蜘蛛頭部
発砲スチロール製で、大きさは大体40×25くらい。今回に限らずいろんなことに使えそうです。
ダリフラのフランクス頭部でも作ろうと思っていたので、我ながらこの使い道にはびっくりです。
頭部のみにカットして20×12くらいです。
この大きさを元に、fusionの下絵として配置。
アニメの人面蜘蛛と比較して足の高さとボディの高さを決めて作成しました。

高さ決め
図を見ての通り、上部ギア、下部固定となっています。下部にギアを持ってきた方がいいのか悩みましたが、上部の方がギアのはみ出しを隠せそうなので。

2 ギアの作成

足の稼働範囲として20~40(約30ミリ)になるように設計してます。

足の稼働範囲

又、前回の反省を基に、実在するネジや合わせてスペーサを基に厚みも計算
負荷かかりそうなので、M3を使用して長さは20ミリもしくは25ミリに合わせて作成。
強度と取り付けの嚙み合わせのズレが心配なのでギア厚は今回はなるべく厚く5ミリ、アームを取り付けるので余長4ミリ。

ギア厚

とりあえずFusionで
ツール→スクリプトとアドイン→SuprGear(Python)→実行
ほぼ動画どおり以下の設定で作成してます。
ギア設定
蜘蛛の足4本として、大小ギア8枚並べたとして全長25㎝以下に収めるように。
又、ギアに足クランクつけて稼働範囲は上下左右30ミリとして、
大ギアの大きさ1枚あたり40ミリになるように。
歯数などPLC耐久性が分からないので、取り合えず歯数24で計算
モジュール値1.7で最終サイズ40.8㎜(上図、一番下)半径20.4
最終的に稼働範囲20ミリとなりました。

最終的なギア稼働範囲

ちなみに小ギアですが、足は全て等速で構わないと思うので、単純に全長サイズ合わせとして
ギア比1:2 2分の1サイズとして歯数12 サイズ20.40です。

大小ギア

4枚目の大ギアが無いのは、先に述べた回頭用をどうするか考えている為・・・。

3 ギアの取り付け

ギアの取り付けは、PLA直だと回転で削れそうだし、摩擦高そうなので、フレームにスペーサーを差し込んでM3ネジでギアと留めています。

スペーサーですがホームセンターだと、外形6ミリ内径4ミリ長さ10㎜~しか見当たらない。
そんなデカいのいらんし。
仕方ないのでネットでスペーサー専門店を探すことにしました。

廣杉計器さんというところが、種類も豊富で個人でも(50個からですが)注文受けてくれるとのことだったので注文。3日くらいで届きました。

廣杉計器さん、中空スペーサー(50個入り)

アルミ中空スペーサー、外形6ミリ内径3.2ミリ長さ4ミリで、これならギアの軸のスペーサーとして使える感じ
アルミ中空スペーサー(外形6ミリ内径3.2ミリ長さ4ミリ)

スペーサーの長さは4ミリなので、フレーム厚は3.8ミリとしてギアが軽く回るようにしています。
スペーサー埋め込み

ちなみにこのブログを見てくれる人にそんな人はいないと思いますが
前にプラモの展示場で駆動物をそのまま動かして、ギア壊しているのを見かけました。
え!?マジという感じでしたが。
このギアには充分シリコングリスを塗布しています。


まだ執筆も途中ですが
ちょっと軽くホラー風に、動画も作成してみました。
人面蜘蛛では無く心霊みたいになってますが・・・。
なんか鬼滅では無く彼岸島になりそうな気もする・・・
あれはあれで鬼ですが。